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毎日使えるかも? JFA的サッカー用語辞典。

サッカーで、対戦相手の本拠地を指す「アウェイ」は、日常生活では、周りに味方がおらず自分にとって居心地が悪い状況のことを表す言葉として使われています。また試合中、退場寸前のプレーをした選手をした選手に対して審判から出される「イエローカード」は、あらゆる状況で注意喚起や警告を示す言葉としても浸透。こんなふうに、もとはサッカーの専門用語として生まれた言葉の中にも、日常で気軽に使われるようになったものがあります。特に、日々サッカー用語が行き交う環境で働く「中の人」の間では、業務中で生じたあらゆる局面を審判の言葉やサッカーのルールに例え、応用して表現することもしばしば。今回は、皆さんにも明日からきっと使ってもらえるであろう? 仕事に恋愛にと、日常生活でも使えそうな言葉を5つご紹介します。


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ピンチの時のキラーワード。
アディショナルタイム 【あでぃしょなるたいむ・Additional Time】

<意味>
プレイヤーの交代や負傷により試合時間が費やされた場合、前半戦・後半戦それぞれの最後に設けられる延長時間のこと。どの程度の時間が追加されるかは、両チームの公平性を鑑みて主審が設定する。

通常3〜4分ほどであることが多いが、2014年3月にイングランド北西部で行われた地区大会のマックルズフィールド・タウン対ノースウィッチ・ヴィクトリア戦では、28分というサッカー界では異例の長さのアディショナルタイムがとられた。ちなみに、その試合は1-1の引き分けで終わり、決着は後日に持ち越されることに。

転じて、JFA広報部内では予想外の出来事により作業時間が空費された際、追加時間が欲しいという意味で「アディショナルタイムをください!」と周囲に懇願することがある。

<実用例>

仕事編「すみません、明日の朝まで締め切りのアディショナルタイムをくれませんか」
恋愛編「君と別れたくないんだ! 僕にアディショナルタイムをくれないか?」
休日編「新幹線の遅延でアディショナルタイムが発生! 駅弁を買っていこう」


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これを言われたら喜ぶべき?
選ばれし者に与えられる称号。
ファンタジスタ 【ふぁんたじすた・fantasista】

<意味>
誰もが予想しないプレーを見せ、観客を魅了する選手のこと。典型的なストライカーよりも、パスやドリブルなどで創造性や技巧を持つ選手を呼称する場合が多い。語源はイタリア語の「fantasista」でアドリブを得意とする役者や大道芸人のことを指すが、イタリア国内のマスコミが当時イタリア代表だったロベルト・バッジョ(1967-)のプレーに感銘を受け「ファンタジスタ」と読んだことがきっかけでサッカー界でも使われるようになった。

特に、背番号番号10番はファンタジスタとの関係が深いと言われており、元祖ファンタジスタのロベルト・バッジョをはじめ、“マルセイユ・ルーレット”と呼ばれるフェイントテクニックを得意とする元フランス代表のジネディーヌ・ジダン(1972-)、大雨で水たまりができるほど劣悪な環境の試合で、ならばボールを落とさず進もうとリフティングをしながら前進するプレーで観客を沸かせたな元セルビア代表のドラガン・ストイコビッチ(1965-)はいずれも背番号10番を担っていた。

転じて、JFA広報部内では、取材現場で想定外の質問を投げかけてくる記者のことをファンタジスタと呼ぶことがある。

<実用例>
仕事編「あんだけ反対していたクライアントを納得させたあいつは、プレゼンのファンタジスタだ」
恋愛編「狙った人は必ず落として恋人が途切れたことのない彼女は、恋愛のファンタジスタだ」
休日編「イルカショーで会場中を笑顔にしていたあの司会は、エンターテインメント界のファンタジスタだったな」


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ちょっと待った! の代わりに。
オフサイド 【おふさいど・offside】

<意味>
攻撃側の選手が、守り側の選手よりもゴール近くで、味方のパスを受け取る反則行為のこと。つまり、ゴール前の待ち伏せは禁止。反則を取られると、パスを受け取った場所から相手チームにフリーキックのチャンスが与えられる。サッカーでは一二を争うほど複雑なルールだが、攻撃と守備に駆け引きが生まれるこのルールがあるからこそ、試合が面白くなると言われている。

ちなみに、かの有名な芸術家、サルバドール・ダリは「芸術とサッカーは違う。オフサイドからゴールを決めることが一番多いのだ」という言葉を残している(出典:『シュルレアリズム』タッシェン・ジャパン,2006)。

転じて、JFA広報部内では、発表時間を揃えて出そうとしていた内容を先んじて記事化されてしまうことを指す。

<実用例>
仕事編「まだ企画の社内承認が下りていないのに、オフサイドしてクライアントのスケジュールを押さえてしまった......」
恋愛編「最近恋人と別れて傷心中のあの子に近づくなんて、あれは完全にオフサイドだよ」
休日編「明日発売の限定モデルが絶対に欲しいから、今晩からオフサイドして近くのホテルに泊まろう」


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うっすらと、白旗が見える。
ちんちんにする/される 【chinchin-ni-suru/chinchin-ni-sareru】

<意味>
一方のチームが独走し、手も足も出ない状態のこと。ワンサイドゲームともいう。サッカーが盛んな静岡の方言で、熱くなっている状態のことを意味する「ちんちん」からきている。選手のインタビューやサッカーメディアでは当たり前のように使われており、「ん」にアクセントをつけて読むのがポイント。

ちなみに、愛知県でも同様の意味を指すが、滋賀県や鳥取県では親密な真柄のこと、富山県では「ちんちんかく」で正座をするという意味を持つ。

転じて、JFA広報部内では、記者に質問攻めをされている場面において、「ちんちんにされた…」と表現することがある。

<実用例>
仕事編「今日のコンペは競合他社にちんちんにされた」
恋愛編「彼女の終電で帰る姿に僕はちんちんにされた」
休日編「週末はちんちんにされた身体を労りに、銭湯にでも行こう」


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とにかく前に進みたいあなたへ。
プレーオン 【ぷれーおん・Play On】

<使えるタイミング>
このまま終わらせたくないとき、現状を押し通したいとき

<意味>
プレー中に明かな反則が起こるも、主審が笛を吹かずに試合が続行される際に叫ぶ掛け声のこと。通常反則が起こった場合は、審判が笛を吹き試合を止め、反則された側にフリーキック(相手からの妨害を受けずボールをキックしてプレーを再開すること)の権利を与えられるが、試合を続けた方が反則されたチームに有利になる場合は主審が「プレーオン!」と叫び試合が続行される。

審判が両手を前方に広げるポーズをとっていればプレーオンの合図。選手の全力疾走に並走しながらも合図を出したり、攻防する中で前のめりになりながらも叫ぶ審判の姿は、選手たちと同じくプロとしての姿勢が感じられ熱くなる人も多いのではないだろうか。

転じて、JFA広報部内では、時間が押しているもインタビューが盛り上がっている場合は「プレーオンだね」と声を掛け合うことがある。

<実用例>
仕事編「予算的に厳しいのは重々承知なのですが、なんとかプレーオンでお願いできませんか?」
恋愛編「100回振られても、その人への恋心はプレーオン」
休日編「ダイエットは明日からにして、今日の焼肉はプレーオンしてしまおう」


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※画像は イメージです「Shutterstock.com」のライセンスに基づいて使用しています※


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